横浜の小学生がクレヨン作りに挑戦しています。
先日、横浜市大岡小学校4年生のみなさんに、オンラインでクレヨン作りのお話をさせていただきました。
大岡小学校では、地域のみなさんに楽しんでいただくために総合学習でクレヨン作りをしているそうで、色素となる顔料探しや作り方のレシピなど、子どもたちが自ら調べ、先生と一緒に試行錯誤しながら挑戦しています。
(↓先生から送っていただいた写真です)
(私は小学生の頃、買い与えられたクレヨンに対して何の疑問も抱かずに絵を描いていました。
クレヨンが何からできているのかなんて考えたこともなければ、色を自分で作ろうなんて発想もありませんでした。
だから、大岡小学校のみなさんはすごい経験をしているなと思います!)
私たちも苦労して開発したから分かるのですが、「クレヨンの作り方」ってどこにも答えは載っていません。
調べれば、蝋(ろう)などのワックスと色素を混ぜ合わせてできていることはすぐに分かりますが、
じゃあワックスって何?色素って?それぞれどのくらいの割合で、どうやって混ぜるの?どうやって固めるの?
どうしたら色が付くの?どうしたら書きやすくなるの?
とハテナ(?)だらけです。
そのハテナを一つずつ試しながらクリアしていくのが大変であり、楽しくもあるのですが、
「その過程を子どもたちが楽しめるように手伝ってください!!!」
という大岡小の先生からの熱いメッセージを受けて、今回オンラインでお話することを快諾しました。
私たちもまだまだ試行錯誤の途中にいるので、授業では、私たちがこれまでに得た知識をあくまでも一つの経験談としてお話させてもらいました。
クレヨン作りで一番難しいのはやはり、色作りです。
大岡小のみなさんは、市販の野菜パウダーで試してみたようなのですが思うように色が出なかったようで、
「どうしたら濃い色のクレヨンが作れるのですか?」という質問を受けました。
難題です。。。
これは私が実践した色探しの方法ですが、「料理をするときにまな板に野菜や果物の色が沈着する」「洋服に付いた泥汚れがなかなか落ちない」といった日常の体験から、“付きやすい色”や“落ちにくい色”を探してみるのはどうですか?とお話しました。
そして、まずは一番身近にある「土」で試してみることをおすすめしてみました。
土はとても優秀な顔料です。
比較的簡単に細かな粒子にすることができるため着色しやすく、
場所によってさまざまな色をしているのも面白いところです。
なにより、どこにでもある!
後日先生から、子どもたちと公園で土を探し、その土でクレヨンを作ったと連絡をもらいました。
なんと9割の子どもたちがクレヨン作りに成功したそうです!
色が付かなかった1割の子どもたちは残念な思いをしたと思いますが、
どうして失敗したのか、原因を探究しているそうです。
『失敗は宝』ですね!!
今回はメールのやりとりやオンラインでお話しただけでしたが、
「しまやどりさんと関わったおかげで、子どもたちの生き生きとした姿や熱中する姿を見ることができました。」
とご連絡をいただけて、少しでも力になれたのだと嬉しくなりました。
私たちもクレヨン開発にあたって、全国でクレヨン作りやものづくりをされている方々からたくさんのアドバイスをいただきました。
みなさんお忙しいのにも関わらず時間を割いてくださり、積み重ねてきた知識や技術の一部を快く見せてくださいました。
だから私たちも、できる限りではありますが、同じように挑戦されている方々の力になれればと思っています。